【会社の作り方】個人事業主はいつ会社を作るべき?

みなさんは法人というと何を思い浮かべますか?株式会社やNPO法人などがよく聞く名前なのではないでしょうか。実際数も圧倒的に株式会社が多いです。2014年時点での東証の上場会社数は3,418、株式会社の総数は約420万と言われています。では起業する際はどの法人を選べばいいのでしょうか?

法人とは?

法人と言えば一般的に「会社」のことを指す場合が多いですが、法律用語辞典によると
「自然人以外で、法によって、権利を得たり、義務を負ったりすることができると認められた人の結合(団体)や財産の結合を法人という。」と定義されています。
簡単に言うと「法人とは、法が定める人」という意味で、人の集まりや財産の集まりを法律上、個人と同じように権利・義務の主体として扱うことをいいます。ですので、法人も基本的には個人と同じように口座を作ったり不動産を所有して登記したりできるのです

法人を作るメリット

  • 取引先や仕入先から信頼を得やすい
  • 税金の優遇(年間所得が継続的に500万円を超えた場合)
  • 融資や資金調達が受けやすい
  • 決算月を自由に決められる(個人事業の場合は1月~12月が事業年度)
  • 有限責任(社長個人が保証人になっていない場合、出資した範囲でのみ返済義務を負います)
  • 相続税がかからない(会社の所有財産には相続税がかかりません)

法人を作るデメリット

  • 赤字でも税金(法人税)の出費が増える(毎年最低7万円はかかります)
  • 社会保険への加入義務(保険料が国民健康保険と国民年金に比べて高額)
  • 会計処理及び法人税申告、社会保険、労働保険などの事務負担が増える
  • 事業の廃止に費用がかかる(最低3万円は解散登記で必要)

よって、年間所得が継続的に500万円を超えるまでは個人事業主として活動して、その後法人化する人が多いです。しかし、本気で事業を行っていく意思表明として初めから起業される方もいるのでどちらが良いのかはその人次第かと思います。

法人には様々な種類があります

  • 営利法人として株式会社・合同会社・合資会社・合名会社・一般社団法人・一般財団法人
  • 公益法人として公益社団法人・公益財団法人・NPO法人
  • 中間法人として労働組合・共同組合などがあります

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法人設立にかかる費用

法人設立にかかる費用も意外と知られていないのでまとめてみました。

株式会社 合同会社 NPO法人 一般社団法人 一般財団法人
資金 1円以上 1円以上 0円以上 0円以上 300万円以上
定款印紙代 4万円 4万円 0円 4万円 4万円
定款認証手数料 5万円 0円 0円 5万円 5万円
定款謄本証明料 約1500円 約1500円 0円 約1500円 約1500円
登録免許税 15万円 6万円 0円 6万円 6万円
合計費用 約24万円 約10万円 約0円 約15万円 約315万円
代行手数料 約4万円 約2万円 約28万円 約5万円 約5万円
費用+代行手数料 約28万円 約12万円 約28万円 約20万円 約320万円

※定款印紙代は電子定款の場合は不要

法人設立の費用を抑えるには?

起業を考えている方が会社を設立する場合、少しでも会社設立の費用を少なくして人件費や広告費用にまわしたいですよね。

例えば、NPO法人を無料で設立する方法があります。NPO法人は利益の分配は出来ませんが、合同会社なら約10万円で設立できる方法があります。しかも合同会社なら有限責任で、かつ利益を分配可能な法人です。他の法人設立についても電子定款認証にて認証を行えば、紙で定款認証を行う場合に発生する収入印紙代の4万円をかからなくすることが出来ます。このように、法人化の費用を抑える様々な方法があります。

電子定款認証に必要な機器

ICカードリーダライタ 約2,000円
Adobe Acrobat Standard 約35000円
住基カード 500円
電子証明書 500円

法人設立の労力を減らす方法

会社設立の際にもう一つ大事なことがあります。時間と労力はお金と同じくらい大事なことです。特にスタートアップは時間との闘いですから少しでも労力と時間は節約したいですよね?

昔は紙で全て書類を作成したり、法務局や司法書士などに書類作成の方法を聞いたりと大変でした。しかし、今は先ほどのように電子定款が使えたりWeb上で必要事項を項目にそって入力するだけで簡単に法人設立に必要な書類がそろう会計ソフトfreee(フリー)というサービスもあります。こちらもベンチャー企業ですが、すでに40万以上の企業で採用されるほど便利なサービスです。他にも確定申告や給料支払いなど便利なサービスがありお勧めですよ。